相続税を計算する際の流れは、以下のようになっています。
■遺産と債務の把握
■課税価格の計算
■相続税の総額の算出
■各人の相続税額の算定
まずは、遺産の債務を全て把握することから始まります。遺産となるものは、被相続人が持っていた物やお金、債務は被相続人が支払う義務を有していたものとなります。
遺産はについては、些細なものでも見逃してはなりません。不動産や有価証券、骨とう品などは、見逃しやすくなっています。また、負債を見逃してしまうと、負債を見つけないうちに相続放棄ができなくなります。相続放棄は相続の事実を知ってから3か月以内に行う必要がありますが、期限後に債務が見つかった場合、見つけられなかった相当の理由がなければ相続放棄することができなくなります。
次に、相続財産の課税価格を計算します。課税価格とは、相続税の計算に使う金額をいいます。課税価格の計算は、以下の3つの手順で行います。
■非課税対象の財産と債務の確定
所定の条件を満たした非課税財産がある場合、相続財産から控除します。葬儀費用などは、非課税の対象となります。
■課税対象の財産をお金に換算する
課税対象となる財産は、おあかねに換算する必要があります。著作権や特許権、不動産や貴金属などは、課税対象となります。
■生前贈与や遺贈の持ち戻し計算
生前贈与がある場合、相続開始前3年間に行われた財産を相続財産とし、持ち戻し計算を行います。
尚、生命保険の死亡保険金と死亡退職金については、法定相続人の数×500万円の控除をしたうえで課税価格に加えます。
課税価格計算後、相続税の総額の算出を行います。相続税の総額の算出では、まず基礎控除を考慮します。基礎控除は以下の算出により計算します。
基礎控除=3000万円×相続人の数×600万円
課税価格からこの基礎控除額を引いた額を、課税遺産総額といいます。相続税の算出は、この課税遺産総額をもとに行います。
相続税総額の算出方法については、課税遺産総額を法定相続分で分けたと仮定し、割り振られた財産から相続税を算出し、合計します。
法定相続分は以下のようになっています。
■配偶者と子供が相続人の場合 配偶者に2分の1、子供に2分の1
■配偶者と直系尊属が相続人の場合 配偶者に3分の2、直系尊属に2分の1
■配偶者と兄弟が相続人の場合 配偶者に4分の3、兄弟姉妹に4分の1
課税遺産相続から相続税の総額を算定したら、遺産分割を行います。遺産分割終了後、既に算定した相続税の総額を、実際に分けた遺産の比率で分け、各人の相続税額の算定を行っていきます。
三村会計事務所では、豊島区、文京区、北区を中心に、税務や会計関係の相談を行っています。
会計事務はもちろんのこと、相続関係の相談についても承りますので、お困りの際は、当事務所までご相談ください。
相続税の計算はどうやって計算するのか
税理士法人三村会計事務所が提供する基礎知識
-
相続税はどうやって申告...
相続税は、申告する必要がありますが、何から始めたらよいかなど、一般の方には分からないことが多くあります...
-
盛大な葬儀も節税に
■相続税の非課税財産 相続財産の中には、財産の性質から課税の対象とならないものがあります。例えば、葬儀...
-
建物や土地はどうやって...
相続財産の中には、数で簡単に分けられない財産があります。例えば、建物や土地などは、数で明確に分割するこ...
-
相続でもめるとどうなるのか
相続を行う際、遺産分割時にもめる場合が多くあります。 この遺産分割での揉め事は財産を多く有する裕福な...
-
骨董品や趣味の品にも注意
相続財産と言えば、現金や預貯金、株式などが思い浮かびがちですが、骨董品やアクセサリーなども相続財産とな...
-
家業を継承するには?
親が家業を行っている場合、家業の経営者が亡くなった場合、家業を相続することとなります。 では、家業は...
-
贈与税とは
相続対策として有効活用されるのは、「贈与」という方法です。しかし、贈与はタダでできるものではありません...
-
遺言書は絶対?
遺言とは、被相続人が生前に、誰にどの程度財産を分与するかについて、あらかじめ意思表示をしたものをいいま...
-
生前贈与を活用した税金...
相続税の対策としてよく利用される方法として「生前贈与」があります。生前贈与の方法として利用されるものと...